地代と更新料・各種承諾料の相場について

地代相場
相続コンサルタント会社 ニーズ・プラスコラム担当の野呂です。

地主さんから土地を借りるうえで、借地人さんにはいくつかの制約がかけられます。例えば、以下に挙げたようなことが該当します。

  1. 地代をきちんと決められた期日までに支払うこと
  2. 無断で建物の増改築をしないこと
  3. 借地権を無断で譲渡・転貸してはならないこと

それらに違反すると、契約を解除される可能性があるので、借地人さんはしっかり認識しておく必要があります。

今回は、これらの制約に関連した、地代と更新料、各種承諾料の相場について解説いたします。

地代と更新料・各種承諾料の相場はいくら?

地代の相場は、地域によってばらつきがありますが、固定資産税のおよそ3〜5倍程度とされています。例えば、東京23区と横浜などでは次のとおりです。

東京23区1坪当たり約700〜1,000円
横浜・埼玉(市街地)・東京都下1坪当たり約500〜700円

更新料と各種承諾料に関しては、借地周辺地域の相場を参考にしますが、相場が分からない場合、更新料は「更地価格×借地権割合×5〜10%」、承諾料は「借地権価格(※)×10%」という公式を使って求めます。

借地権価格(しゃくちけんかかく):土地を借りたことで、借地人さんが得ている利益。

参考記事:地代とは
参考記事:地代と家賃の違いとは?

更新料の定義とその意味合い

更新料は、借地契約を更新するにあたって借地人さんから地主さんに対して支払う一時金です。更新料は当事者同士の合意に基づく費用ですが、更新料の授受がない場合もあります。また、法的には更新料の支払い義務はないとの判例もあります。

1.実質的な賃料の一部

借地契約を更新する時点で、借地人さんが払ってきた地代が、一般的に適正とされる地代の額より安かったとします。その場合、更新料を払うことで安い地代を補う、「地代の後払い的なもの」であると考えられています。

2.安心料としての性質

借地契約更新の際に、更新拒否をしないことに対する地主さんへのお返しという性質があります。また、更新料を支払うことで、「地主さん、今後ともよろしく」という意味合いも込められています。

長きにわたって築いてきた地主さんとの関係を今後も良好に保つためにも、相場及び今までの経緯を考慮した更新料や承諾料は支払っておいたほうがよろしいかと思います。

各種承諾料の定義

承諾料とは、地主さんに何らかの承諾をしてもらうお返しに、借地人さんが支払う一時金のことです。承諾料にはいくつか種類がありますが、ここでは、代表的なものを2つご紹介します。

借地権譲渡承諾料(名義書換料)

借地権譲渡承諾料(しゃくちけんじょうとしょうだくりょう)とは、借地人さんが第三者に借地権付きの建物を譲渡しようとするとき、地主さんの承諾をもらうかわりに、地主さんに支払う承諾料で、名義書換料(めいぎかきかえりょう)ともいいます。

借地権譲渡承諾料の額は、「借地権価格に10%をかけて算出される数字」というのが一般的ですが、低い例では8%、高い例では25%といったケースもあります。借地権譲渡承諾料の額を決める際に、借地権価格を参考にする理由としては、「借地権を譲渡する相手から、借地人さんが受け取る代金の何%が地主さんに支払われるか」という点を重視するためです。借地権譲渡承諾料は、借地権価格の他、借地契約期間がどのくらい残っているか、毎月借地人さんが払っている地代がいくらかなどの条件も考慮して総合的に算出します。

建替承諾料

建替承諾料(たてかえしょうだくりょう)は、借地上の建物を建て替える際に、借地人さんが地主さんに支払う承諾料です。建物をどの程度建て替えるかによっても変動しますが、木造(非堅固建物)であれば更地価格×2〜5%前後、鉄筋(堅固建物)であれば更地価格×8~12%前後が目安です。

建替承諾料と似たものに、「増改築承諾料」というものもあります。これは、増改築費用の10%程度を承諾料として支払うものです。

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