不動産所得の確定申告における注意点とは
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相続コンサルタント会社 ニーズ・プラスコラム担当の野呂です。
確定申告の際「地代」や「家賃」、「不動産売買で得た売却益」、「購入した土地や建物など」がある方は、申告書に全て記載しなければなりません。申告書への記載漏れがあると、ペナルティとして、申告した所得税とは別に、税金が加算されてしまいます。
今回は、土地の売買や賃貸借における確定申告についてご説明いたします。
確定申告とは
まずは、確定申告について簡単にご説明します。
確定申告とは、1年間で得た収入のうち、所得金額と税額を正しく計算し、税務署に申告することです。毎年2月16日から3月15日の間に、お住まいの地域の税務署に対して行います。
申告の対象となるのは、申告する前の年の1月1日から12月31日までに得た、全ての所得です(2018年度分であれば、2018年1月1日から12月31日までに得た所得を、2019年2月16日から3月15日の間に申告する)。
確定申告は、青色申告か白色申告のいずれかの方法で行います。
青色申告と白色申告の違い
青色申告とは
青色申告とは、日々の取引を帳簿に正確に記録するだけでなく、帳簿に基づいた所得を正確に申告すると、税務上の特典が受けられる制度です。
例えば、2018年度に新たに青色申告で確定申告したいとき、2019年3月15日までに「所得税の青色申告承認申請書」という書類に必要事項を記入して、所轄の税務署に提出(申請)し、承認を受けなければなりません。この申請を行うと、2019年度以降から自動的に青色申告での申請となります。
所得税の青色申告を選択できる人は、以下のいずれかの所得を得ている方に限られます。
- 不動産所得:不動産の賃貸や売買で得た所得
- 事業所得:事業として行っている農業、漁業、建設、製造、卸売、小売、金融、保険、不動産・運輸通信、その他のサービス(旅館、クリーニング、遊技場)業などで得た所得
- 山林所得:山林の伐採や譲渡などで得た所得
白色申告とは
白色申告とは、「所得税の青色申告承認申請書」を提出していない場合に行う確定申告方法です。この方法で確定申告を行う際、「白色申告で確定申告したいから承諾してほしい」といった申請は不要です。
ちなみに2014年度(平成26年)分から、白色申告で確定申告を行う方全てに「帳簿への記帳」と「帳簿等の保存(期間5~7年)」が義務づけられました。帳簿の作成の手間という点に限って言うと、青色申告とそれほど変わりません。
底地の確定申告は白色申告でもOK
底地の確定申告をする場合、マンションやアパート賃貸と異なり、減価償却費(※)や修繕費など、申告すべき経費というものがほぼありません。基本的には白色申告で構いませんが、ケースによっては青色申告の方がお得になることもあります。
※減価償却費(げんかしょうきゃくひ): 建物を購入したとき、購入金額を一旦資産として確定申告の計算の中に組み入れた後、「この不動産を何年使うのか」という点に着目し、購入金額を分割して毎年確定申告の際に申告する費用。
賃貸と売買で異なる課税方式
個人で不動産を貸したり売買したりすると、そこで得た利益に対して所得税と住民税がかかります。所得税には、「総合課税」「申告分離課税」「源泉分離課税(※)」の3種類の課税方式があります。
不動産賃貸で得た収入は、不動産所得として他の所得と合わせて申告します。課税の際には総合課税という方式が適用され、他の所得との合計に所得税がかかる仕組みになっています。
一方、不動産売買で得た収入は、他の所得とは別に「譲渡所得」として申告します。課税の際には「申告分離課税」という方式が適用され、不動産売買で得た所得のみに所得税がかかります。
※源泉分離課税(げんせんぶんりかぜい):会社が従業員に対して給料を支払う際、給料の一部を税金として徴収することで、納税が完了する方式。
確定申告の際に注意すべきこと
帳簿は正確に記帳し、領収書の類は全て保管すること
所得を正しく申告するためには、所得があったその日に忘れずに帳簿を記帳するのが無難です。
毎日きちんと帳簿を正確につけることはとても大変ですが、レシートや領収書(またはそのコピー)は、ゴミとして捨てずにきちんと保管しておき、帳簿記帳に役立てましょう。
また、地主さんの中には税理士にお金の管理を一任されている方がいらっしゃいますが、銀行口座の出入金記録も確定申告の際に必要となるため、銀行口座の記帳はマメに行いましょう。
不動産関連の所得が20万円を超えたら申告を
会社勤務をしている地主さん・借地人さんの場合、地代や家賃の不動産所得だけでなく、給与所得にも所得税・住民税がかかります。1月1日から12月31日の間に得た不動産所得が20万円を超えると、給与所得とセットで確定申告しなければいけないので注意が必要です(2018年現在)。
参考記事:地代収入と土地売却時の税金・経費
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