地主さんの土地活用実例〜マンション・アパート編〜

マンション,アパート

相続コンサルタント会社 ニーズ・プラスコラム担当の野呂です。

少し前まで、マンション・アパート経営は、地主さんが所有している土地の相続税や固定資産税にかかる税金の負担を軽減し、ご先祖様から受け継いだ財産を次の世代に相続していくための「手段」として利用されていました。

しかし最近では、土地を持たなくてもマンション・アパートを経営できると謳う不動産業者なども出現し、労働所得とは別の副収入目的でマンション・アパート経営に参画する地主さん以外の方も増えてきました。

こういった市場の変化を鑑みると、現代のマンション・アパート経営では、「税金対策のために」という考えから「収益性をいかに上げるか」という考えに方向転換されている傾向があります。

今回は、新たな時代におけるマンション・アパートの土地活用実例について解説いたします。

マンション・アパートの定義

まずはマンションとアパートの定義からご説明しましょう。建築基準法では、人が暮らす「住宅」を次のように分類しています。

  • 一戸建ての住宅:居室、台所、浴室、トイレの機能を持ち、他の住居とつながっていない独立した住宅。
  • 長屋(ながや):複数の独立した住戸が並び、他の住戸と壁のみを共有し、廊下、階段、エントランスホールなどは共有していない状態。道路に面してそれぞれの住戸の玄関があるイメージ。
  • 共同住宅:複数の独立した住戸が並び、廊下、エントランスホール、重層階構造の建物の場合は、階段やエレベーターなどを共有している状態。
  • 下宿:住居の一部分を、賃貸借契約を結んで他人に貸している状態。
  • 寄宿舎:学生などが共同で住む施設。
  • 住宅で事務所や店舗などの用途を兼ねるもの。

上記の分類と照らし合わせると、マンション・アパートは「共同住宅」に該当します。

マンションやアパートを建てるためのチェックポイント

マンションやアパートは、土地の適性や入居者のニーズ、市場性、将来性などをしっかりと把握し、土地に合ったものを建てる必要があります。

ここでは、マンションやアパートを建てるうえで事前にチェックしたいポイントをご紹介します。

土地の適性

土地の広さ、形状

マンション・アパートを建てられる十分な広さが確保できるか。また、建設予定の土地は、どのような形状をしているか(建築物を建設可能な土地に整備されているか。また、共同住宅を建築する上で問題のない形状になっているかどうか)。

高さ制限や日影規制

建設予定の土地は、都市計画法によって定められている市街化区域・市街化調整区域のいずれかに該当するか。該当するのであれば、建てられる建物は何階建てまで建設可能か。また、建築基準法による日影規制の対象地域になっているか。

居住性

日照時間を最低限確保できるか。騒音・排水状況などに不具合が出ないか。

利便性

駅からはどのくらい距離があるのか。周囲にショッピングセンターや公共機関、教育機関はあるか。近くに工場、幹線道路などの騒音・排気トラブルのもとになるものはないか。

入居者のニーズや市場性

マンション・アパート経営をする上で、ファミリー層、単身、学生など、建築予定地のエリアで最も多く住んでいる入居者層のリサーチは、入居率などに直結するためとても重要です。入居者層によって、冷暖房、床暖房、モニター付きインターフォン、インターネット環境などの付属設備を設けるかが変わってきます。また、周辺の物件の入居状況、間取り、設備に関しても念入りに調査する必要があります。

一方、土地のある地域に、将来、鉄道や地下鉄、道路整備などインフラ整備の計画や、最寄り駅周辺の再開発計画、工場や学校、大規模な店舗、公園など、生活に影響の大きい施設の設置計画があれば、入居率が上がる可能性があります。

マンション,アパート

マンションとアパート、どちらが儲かるのか?

マンション・アパートは、建物の規模や構造など、大きな違いがいくつかあります。

一般的に、マンションは階数や規模に制限がなく、鉄骨、鉄筋コンクリート、鉄骨鉄筋コンクリートなどの構造で建てられています。一方アパートは、階数が2階から3階程度で、木造もしくは軽量鉄骨造で建てられていることがほとんどです。

また、マンションの方が駅からほど近いところに建てられているケースが多く、セキュリティ面や設備面において充実しています。一方で、アパートは駅から離れた住宅街の中に建てられていることが多く、マンションに比べて規模も小さいのが特徴です。

土地の広さに対して作れる戸数の違いや、設備充実の違いなど、マンションとアパートのどちらにも一長一短があり、一概にどちらの方が収益性が高い、とは言えません。

マンションやアパートを建てるときは、事前に周辺地域の住宅需要や顧客層などの不動産市場調査を十分に行う必要があります。
個人でわかりかねる場合は、周辺の不動産業者などに相談をしましょう。

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