借地権を地主さんが買い取る場合の相場・流れ

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相続コンサルタント会社 ニーズ・プラスコラム担当の野呂です。

借地人さんが地主さんに対して「借地権」の買い取りをお願いする理由はさまざまですが、ケースとしては少なくありません。
(借地を使用しなくなった、子供に相続させるつもりがないなど)

今回は、借地権を地主さんが買い取る場合の流れと、相場について、ご説明いたします。

借地権を買い取るまでの流れ

地主さんが借地権の購入を決めてから決済するまで、概ね以下のような流れで進んでいきます。

1.借地人さんが地主さんか不動産会社に相談する

日頃から借地人さんと地主さんとの間でコミュニケーションが取れているのであれば、まずは借地人さんが地主さんに直接相談してみましょう。諸事情があって、直接やり取りするのが困難な場合は、借地権つき建物の売買に慣れている不動産会社にお任せした方が無難です。

2.売買条件の調整

地主さんと借地人さんとの間で意思疎通が図れる場合は、地主さんと借地人さんが直接会って、売買の価格や引き渡し条件などを調整します。不動産会社に仲介をお願いする場合は、双方に確認したいことや、譲れない条件などを、まとめて不動産会社に伝えます。現状渡しなのか、更地にして返すのかなどを取り決めましょう。

借地人さんにとって、建物の存在は借地権及び借地権を主張する大事な要素です。借地権の売買にあたっては、借地人さんが建物を壊すタイミングを慎重に見極めるか、もしくは借地上の建物を壊さずに、借地人さんは地主さんに引き渡しましょう。

3.売買契約を締結

2.で合意した条件を踏まえ、売買契約を締結します。

4.決済→名義移転(所有権移転登記)

売買契約に基づき、決済・引き渡しを行います。その後、地域の法務局まで出向いて「所有権移転登記」を完了させます。

借地権を買い取る際の相場

一般的に、借地権があるエリアで実際に取引されている価格をもとに更地価格を計算し、その約60~70%を上限として借地権売買の価格を決めますが、地主さんが借地権を買い取るときの価格は、それよりも安いのが実情です。ただし、このパーセンテージは一般的な基準であり、所有している土地の条件などにより、売買価格が変動する場合があります。
借地権

借地権を購入する際の注意点

登記関連の確認と所有権登記移転を忘れずに

借地人さんが借地上に建っている建物の名義を変更しないまま相続していると、実際の所有者と登記名義人が異なるため、借地権売却の際にスムーズに手続きが運ばないケースがあります。また、古い建物の場合、未登記ということもあります。その場合、固定資産税の納税通知書で確認できます。

このような不具合を防ぐため、建物の登記状況は必ず確認しましょう。土地および建物の登記簿謄本は、管轄の法務局で誰でも取得できます。

また、決済後は建物の名義を、売り主(借地人さん)から買い主(地主さん)に必ず移転する「所有権移転登記」を行いましょう。

更地にする際は慎重に

これは、借地人さんに注意していただきたいことですが、地主さんも意識しておいてください。

借地権を買い取るまでの流れ」の「2.売買条件の調整」で触れたように、まず先に借地人さんが建物を壊したとします。借地上の建物は、借地人さんが借地権を主張するために非常に重要な要素なので、仮に地主さんが「借地権の買い取り契約を交わしたけれど、やっぱり辞めたい」と言ってきた場合、借地人さんは困ってしまいます。

代金の授受が終わってから更地にする」ことがよろしいかと思います。

参考記事:借地人さんが底地を買い取る場合のメリット

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